仕事検索時の資格要件としてのキャリア、スキル
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いろいろなところで、キャリアという言葉やスキルという言葉が使われています。
新聞や雑誌の紙・誌面や各種資料上で見かけたり、テレビやラジオで、もしくは人事研修などさまざまな場面で耳にする機会があるでしょう。
それこそ多種多様な概念を含んだ一言葉として、あまりにも便利に使われすぎているきらいがあるようです。
これでは、受け取る側としてはなにやら漠然としたイメージしか持てないでいるのもムリもないかもしれません。
使う人により、状況により、時に応じてすこしずつニュアンスが異なっているゆえに認識上の混乱が起きています。
とはいえ大切な概念を含んだ言葉ですので、理解はしておきたいものです。
でも、いろいろ異なって使われてしまっているからわかりにくい、つかみにくい、ということならば、異なる場面、状況ごとに、ハッキリさせることにします。
なにも、全ての場面を想定する必要はありません。
当面の目標となる再就職活動や転職活動を進めるにあたってよくありそうなケースを中心に理解します。
まずは転職の実際を意識して、理解していきましょう。
多くの方が最初にキャリアやスキルを意識するのは、
「今、新聞や雑誌の求人欄にはどういう仕事があるかな?」とか、「募集されている職業ってどんなものだろう?」、
または「自分にも働けそうな会社ってあるかな?」「なにか良い仕事ないだろうか?」と探し始めるときかもしれません。
電車の中のチラシや駅貼りポスターの転職情報誌の広告のに目をとめて……とか、なにか会社で面白くないことでもあって会社を辞めたいと思ったときであるとか、
なにげなしに将来のこと定年後のことを考えたり‥…・。
そういうときに意識的に、もしくはたまたま偶然にか、いわゆる求人情報というものに興味を持って眺めるときがあります。
募集している会社の名前や所在地、勤務場所・賃金額、会社概要や製品ラインナップ…、いろいろなことが載っています。
ふ〜んとかへ〜とつぶやきながら読みすすむうち、はたと考えます。
「ちょっとこれはなんだろう?よくわからないぞ」と思い、「うーん。ひっかかるなぁ」と思うでしょう。
具体的にひっかることというのは、
・新聞求人広告での応募条件
・ウェブサイト上の求人スペック
・公共職業安定所=ハローワークの求人票の資格事項記載欄
などです。
これら、職業や職務を規定する、要件事項として「これまでの職務履歴」や「職務遂行能力」があげられるわけです。
募集する企業や組織・団体としては、新しい人材を募る際、どんな人でも来てくれさえすれば良いと思うはずはありません。
当然、できるだけ採用先において役に立つ人を採りたいわけです。
今現在、その企業や組織・団体で、働く人がいないために困っている仕事、できないでいる仕事というものがあって、
なんらかの損失をこうむるか、利益を失っていたり、または利益を得られるはずの機会を失するという問題が起きているからこそ、採用活動は行われています。
もしいま現在そうでないとしても、近い将来に高い確率でそうなる恐れがあるだろうと推測されているわけです。
採用活動とは、経費的にも時間田的・手続き的な面からも相当に負担=コストを生ずることです。
伊達や酔狂で、ヒマにあかせて採用活動をしている企業はありません。
そこで、できるだけ効率的に良い人材を採るべく、応募の際に、
「ウチが欲しい人はこういう人材ですよ。こういう仕事ができる人や仕事の
経験をお持ちの方なら是非来てくださいね。
逆に、そうじゃない人やこういうことができない人は応募してくれなくていいですよ。応募してくれたとしても無駄ですから、やめておいてくださいね」
と宣言しているわけです。
そして、こういう人材(=こういう仕事)の経験を持つ人、仕事ができる能力がある人を明らかにする言葉が、いわゆるキャリアやスキルなのです。
ここではキャリアやスキルというものが明確な足切り、ボーダーラインとして使われています。
なにかの仕事に就くために必要とされるパスポート、通行手形として見られていると言えます。
こうなると、やはりキャリアやスキル(に欠けていること、不足していること)がハードルになっちゃうんだろうか、困ったなぁと考える必要はありません。
確かに越えねばならないハードルですが、なにもそのハードルを絶対に越えるべく、なにがなんでもそのコースに出走しなくてはいけないものではないわけです。
越えるべきハードルなどと聞くと、確かに悲壮感が漂う感じはします。
道はこの一本しかなく、しかもチャンスは一度きり、越えられれば名声と賞賛を浴びるが、越えられなかったらその全てを失ってしまう……などという貝合に。
もしもあなたがハードルの専門スペシャリストでオリンピックにでも出場していて、今回の大会に競技者人生の全てをかけて臨んでいるのであれば、そのとおりかもしれません。
そのときはそれこそ真剣に、乾坤一てきの勝負をかけることでしよう。
でも、当然ながら、転職活動や再就職活動においてそんなにギリギリの修羅場はありませんから、悲壮感を漂わせる必要など全くないのです。
他に選択肢のないハードル専門競技者とは違って、再就職活動をオリンピック種目にたとえるならば、ハードル走以外に徒競走も障害物競走もあり、競歩やマラソン、1万メートル走、グラウンド以外の水泳やスケートレースだってありえます。
他に用貝を使った自転車競走や乗馬、ヨット他いろいろ広がります。
さらに競技といっても常にタイムを競うものだけではなく、芸術性や完成度を競うものだってあります。
競技種目の種類が豊富ということだけでなく、オリンピックの決勝レースのように4年に一回しか与えられないチャンスとは異なり、
再就職活動の参加機会は無限とも言える話なのですから、越すべきハードルが高すぎたり、もしくは自分が越えたい、目指したいと思っている分野と異なりそうだったりと判断したときには、再就職活動の方向を転換する選択肢も無限大なのです。
そして軽やかに方向転換することは大いにアリなことなのです。
応募時の条件・ハードルとして用いられるキャリアやスキルに対して過剰に身構える必要はない、ということが再認識できたでしょうか。
応募する側としては、キャリアやスキルが採用にあたっての提示条件と示されている場合は、それぞれの案件に対して受験する際に、合格確度を高めるために用いるべきなのです。
仕事を検索する段階では、提示されている資格要件としてのキャリアやスキルは、
それぞれの応募先でどういう求められ方をしているのか、
そこで必要なパスポートや通行手形がなにか、
それは自分がもっていそうか、なんとかなりそうなのか、
を知るためのインフォメーションとして有効活用するべきです。
無駄に蛮勇をふるってチャレンジしても、結果として常に落ちるだけでは嬉しくないことだからです。
無駄撃ちを繰り返すことは疲弊を呼びます。
ボクシング等の格闘競技でも空振りはスタミナを奪うので避けるべし、というのが鉄則です。そのために応募条件は十分吟味するようにします。
ところが、同じ資格要件として提示されているキャリアやスキルでも、「〇〇〇必須」と、「〇〇〇尚可」では違いますし、
「〇〇〇歓迎」や「〇〇〇が望ましい」となればまったくトーンが違います。
一般的に、 〇〇〇歓迎 < 〇〇〇尚可 < 〇〇〇必須 < 〇〇〇が望ましい
という順に、要求のシビアさのレベルが異なります。
どのレベルまでが厳しいハードルか、どのレベルからは挑戦さえ不可能な領域かは一概に言えません。
キャリアやスキルの内容、一般化しているかどうかの度合いや、求められている必須度により異なってくるのは当然です。
同時に、大切なのは自分自身のやりたい度合いです。
すごくやりたい仕事や業務に関するものなら、なにがなんでもエントリーしたいと願うことでしょうし、そのときは高いハードルもなんのそのです。
やりたい! この仕事に就きたいという意欲や熱意がハードルを飛び越えさせるエネルギーを与えてくれるかもしれません。
もし落ちたとしても、こういう空振りはスタミナを奪うというより、次こそ! とさらなる意欲喚起につなげることすら可能です。
そして、万一首尾よく入社したとしたら、その時点では不足しているであろうそのキャリアやスキルになんとか自分の努力で追いつこう、周りの同僚や先輩にキャッチアップしよう! というガッツも出てくることでしょう。
それに比べて、あまり本気でやりたいと思ってもいないところに応募したときには、入ってからが大変なことでしょう。
仕事は難しいわ、知らないことばかりだわ、しかもそれを別に学びたいとも身につけたいとも思えないわでは、勤め続けるには少ししんどすぎるのではないでしょうか。
ですから、応募先企業や組織・団体に応募するしないは、総合的多面的に検討した結果、現実的な判断のもとに、個々の案件ごとに設定されているハードルを想像し、それを越すべきか、そうでないか考えるべきなのです。
応募先における特定の仕事・職種・業務に、そこで必要なパスポートや通行手形がなにか、自分がもっていそうか、なんとかなりそうか、を知るためのインフォメーションとして使うと述べましたが、
インフォメーションという意味では、自分に付加価値を与える情報としても使えるものでもあります。
魅力的な求人広告や募集要項を見たとき、見るからに上等なキャリアやスキルが記載されていたりします。
それらが自分にも該当しそうなときは、自分でも使ってしまえばよいのです。
ちょっと手が届きそうにないなぁ、、ハードルが高いやと思っても、それをただ、いいなぁとぼんやり指をくわえているのでなく、パクッてしまいましょう。
そのままでは使えなくても換骨奪胎、良いとこ取りをすればよいのです。
うまい表現や魅力的な記述を、自分で全くのオリジナルとして生み出すのは難しくても、アレンジするのはお手のものだという人は、ぜひこのスタイルを利用してみてください。
ということで、まずは応募先目標を選び出す段階でのキャリアやスキルの使われ方、こちらからはどのように理解しておけばよいのかということを説明しました。
キャリアやスキルは応募資格があるかないか、応募したときに少なくとも書類を受け取ってもらえそうかどうかを想像するための検討要素として使われるということです。
つづいての段階としては、応募した後に選考を受けることになるのですが、
応募先の企業や組織や団体が採否判断をくだす際の決定要素として、「キャリアやスキルはどういう働きをするのか」を、次回解説したいと思います
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