勤務開始後の評価要素としてのキャリア、スキル
就職活動は、正解のない問題に取り組むようなものです。正解がないだけに、途中で疲れたり、イヤになることもあるでしょう。
本書は、そんな時に勇気づけられるメッセージやわかりやすいたとえ話で、就職活動に立ちはだかる様々な壁を打ち破ることのできる、普通の学生がサラリと読める羅針盤です。
9月になっても内定が出なくて落ち込んでいたときに、友人に貸してもらった本です。
優しい言葉で、慰められます。
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求職者たるあなたと応募先企業や組織や団体の思いが互いに通じて内定を得て応諾し、いよいよ勤務を開始する。
それこそが求職活動の最終段階であり、新たな職業経験のスタートでもあります。
この段階で、ずっと向き合ってきたキャリアやスキルと縁が切れてしまうわけではありません。
今現在のあなただったら、
「再就職活動はいろいろ慣れない考え方で散々頭を悩ますんだろうな。
おまけに不得意極まる面接で、とっても苦手な他人への決意表明のプレゼンテーションをして、もう想像するだけでクタクタになりそうだ。
いずれどこかの会社に入れたなら、そこですこしゆっくりさせてもらいたいもんだ」
なんて思うでしょうか?
そういう考えが良いとか悪いとかという点についての論評はここでは割愛します。
おそらく、実際にここまでの経験を積んだとしたら、現在の考え方とはだいぶ異なる認識が生まれていることだと予測するからです。
勤務を開始してからは、所属する企業や組織から、あなたに果たしてもらいたいと思っている役割や機能について、おおいに期待が寄せられることになります。
そしてその期待にどれだけ応えているか、評価もされ、誉められ貶されたり乾されたりということになりますが、
それをプレッシャーと受け取るべきではないでしょう。
わが国の労働者の多くは、会社組織からの期待にはなにがなんでも応えるのだ、とついモーレツ社員としての習性が頭をもたげるのでしょう。
そのように振舞わなければならないという場面もあるかもしれません。
けれど、そういう会社人間的な、上司や会社からどう見られるか、評価されるか、のみに汲々とするような考え方からは脱しているべきです。
勤務を始めてからはどういうスタンスで仕事・職務・業務に取り組んでいくべきかを考えるとき、やっぱりキャリアやスキルが重要な判断をする助けになります。
キャリアやスキルは働き始めた以後の段階では評価要素として用いられます。
働き手としてはどういうふうに考えるかと言うと、今までよりも、もっともっと能動的に、キャリアやスキルを獲得し蓄積していくようにするということです。
自分自身の仕事へのスタンスや意欲、腕前をアップさせていくために、新しい仕事を通じて得られるであろう経験や学習を活かすように振舞うということです。
働き始める前まで、仕事を探しているときには、キャリアを考えるにしても、スキルを考えるにしても、どうしても過去形、もしくは受身形で考えざるをえません。
再就職が成功に終わり、仕事を始めてから、やっと受身ではないキャリアやスキルに対するスタンスを持てるようになるのです。
べつに、与えられた仕事をやりたいとか、やりたくないとわがままを言うことを推奨しているのではありません。
求職活動をしていた個人が内定先企業と結ぶ雇用契約とは、与えられた仕事にきちんと全力を尽くすという約束です。
きちんと自分で選択しましょうといっても、働き手個人が勝手に気に入った仕事を選んで働けるわけではありません。
仕事はなんでも一生懸命やるけれど、仕事の中で得られるであろうキャリアやスキルについては、良い・悪い、好き・嫌い、後に続く・続かない、今後に役立たせる・役立たせない、という評価をしましょう。
同じように仕事をするにしても、なんでもかんでも単にこなすのではなく、
いくつかの種類の仕事については、やることの意味を問いながら、積極的に意欲的に取り組み、自分にとっての財産であるキャリアやスキルを増やしてください。
あなたは求職活動を通じて、キャリアやスキルの重要性とか必要性は十分学びます。
また、仕事や任務を遂行する経験の中からしかキャリアやスキルは身につかないことも実感します。
これらによって就職は実現されるのですが、これから後は、もっと本質的に経験から学んだキャリアやスキルについての理解を活かしていくことになります。
65歳で、もしくはもっと後回に定年を迎えたり、勤務生活からリタイアメントした後にも、なんらかの形で生きがいは不可欠回です。
人の生きがいはさまざまなのですが、たくさんの引退生活者が口を揃えて言うように、生きがいのなかで占める大きな要素としての働き甲斐を無視することはできません。
えてして勤務中のワーカーは、もしくは勤務を辞めたばかり、リタイアしたての元ワーカーは、せっかく辞めることができたらもうアクセク働くのはうんざりだ、の〜んびりと、なんにもしないて暮らすんだ。
などとおっしゃるのですが、
全くなんにもしないでいることをエンジョイできるのは、長い人でも数カ月、半年しかもたないということも、よくある事実です。
ワーカーホリックとまで言われたジャパニーズビジネスマンは、夏休みや正月休暇で南の島までわざわざ出かけて、なんにもしない時間を手に入れたときに、たった数日で仕事をしないことに痛痔を感じてしまった経験を思い起こせば領けるはずです。
再就職により、勤務を開始した企業や組織を辞めるときがきたあとも、次の勤務先、職場、帰属先、仲間などを獲得することは必要になるでしょう。
そしてその中で活かせる腕前や、こだわりをもてる対象を準備しておくことは必須です。
対象を作る機会は、職務を通じて行われるであろうことが最大であるのは論を待ちません。
だからこそ、この時期に、そういったキャリアやスキル、腕前やこだわりを積極的に掴み取る気持ちを作っておくように心がけておくべきです。
リタイア後を考えるだけでなく、再再就職をすることがあるのだったら、なおさらです。
求職活動を始めて、求人情報を収集するべくさまざまなチャネルを眺めて検討を行うときも、面接に臨んだ後で辞退をするとき、
先方から断られるとき、ひしひし感じるキャリアやスキルの不足感、今までにやっていさえすればなぁ感を想起するべきです。
残念でたまらなかったり、とり返しがつかない時間を無為に過ごしたことへの後悔を感じるときがあることでしょう。
もしかすると、面接の中でそのような経験を強烈に味わって、無念の思いを夜寝るときに思い出して、思わずクソッと思ったりもするのです。
その無念さをエネルギーに変換して、そして今後の仕事の中でそれに代わる、よりすばらしい経験を掴み取るべく努力できるようになれれば、
キャリアやスキルというものについて、とても今日的な意味ある理解を得られたことになるのです。
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