履歴書をストーリー性の魅力のあるものに
No.1キャリア・カウンセラー・小島貴子が20代後半~30代前半で初めて就職する人たちに贈る、マイナスをプラスに変える就活。
レビューを見る
ここで言う変換は、パソコンのワープロソフトで文書作成時に言葉を変換するとか、平仮名を漢字に変換するということとは異なります。
変換をする元になるのは、以前述べた方法にもとづき、いままでの仕事や経験を通じて行ってきたこと、身に付けてきた「さまざまなキャリアのネタや材料になりそうなもの」です。
そして変換とは、これをキャリアそのものに仕立て上げるステップです。
ネタや材料は十分にあるでしょうか? なければ話になりません。
もうひと踏ん張りする必要があります。
逆にどちらかというと、なんでもかんでも、多ければ多いほどいいとばかりにネタだしに励みすぎて、あふれかえってしまいそうな人もいるかもしれません。
「材料は出せても、それをまとめるのが難しいんだ。一言で言おうとすると、ありきたりなものになっちゃうし……」
そんな悩みをもっているとしたら、とても望ましい状態です。
その場合は次のステップに進みます。
キャリアのネタ(元や材料)の変換とは
ここでの変換は、単に用語を変換するにあらず、と言いました。
ではなにに変換するかというと、ストーリーです。
キャリアの元や材料というネタは、ストーリーに変換することによってキャリアとなるのです。
気をつけて欲しいのは、えてして努力家や倹約家の方は、
「せっかく一生懸命出したネタであるから、全部使わなくてはもったいないじゃないか」
と考えたりしがちです。または、
「思いついたもの、列挙されたもの全てが私の仕事人生で得た産物なのだ。
これを全て網羅してこそ自分という人間の仕事経歴を正確に知ってもらえることにつながるはずだ。
よしがんばって全部きちんと取り込んで表現するぞ」
と意気込んでもしまうかもしれません。意気込みも重要ですし、もったいないという気持ちも大切ですが、ここでは少し脇に置きます。
キャリアに変換するときには、必要なものと必要でないものを峻別し、必要なものだけで構成するという点が大切なポイントになります。
以下に順を迫って説明していきます。
1.まずキャリアのネタや材料の転記をする
手元にキャリア抽出方法を駆使して列挙しているネタや材料があるとき、それが記されているノートやメモ、パソコン画面などを今一度通して読み返します。
ディスカッションの結果がなにかしら残っているなら、それらも再度確認します。そして項目ごとの内容を簡単にまとめて整理する準備をします。
第三者がこういう作業に関わるときには、ネタや材料の抽出そのものは、やり方を紹介するとか、出来映えを確認するということはしても、基本的にお手伝いできることは限られていますが、
もしもこういう整理の作業を進めるときに作業に習熟した人物が周囲にいるのであれば、作業がより簡便にできるよう、利用できる専門家や機器はどんどん利用して作業効率を高めます。
パソコンを使える環境ならば、PC画面上にディスカッション整理用のソフトを開いて、テーマごとにまとめたページを用意し、どんどん整理した文章を入力していきます。
なにもそんな専用ソフトがなくても、一般的な表計算ソフトのスプレッドシートを開いて、そこにテキストボックスを表示して文章を入力します。
キャリアのネタとなる材料等の発生時期や、対象分野、相手等のテーマが変わるごとにスプレッドシートを新しいものに変えると便利でしょう。
もし、PCがなければ、ネタ・材料をポストイットのような付箋紙に書き出します。
どんな機器や道貝を使うにしても、あまり丁寧に長々と書く必要はありません。テーマ名やタイトルのように、何を書いたのかがわかる程度で結構です。
ただし、パッと見て、似たような話が多くて、というときは少なくとも区別がつくようにします。
時期を書くとか、部署名とか相手先が異なっていればそれを書いてもいいでしょう。
できるだけ簡単に読め、何を書いたかが一目瞭然であれば完壁です。
2.流れを考えてくくってみる
メモに書き写したものがどんどん増えて、全部できたらそれをまとめなおします。大きな模造紙があればそれに、なければ新聞紙も結構重宝します。
まとめるときの原則は、時系列に従い、古いものから新しいものを見ていき、ある種特定の業務内容や、仕事の種類で共通するものを並べるようにするということです。
さらに、並べてひとまとめになったもののなかで、年代を経るに従って、仕事の質や責任範囲の大きさ、処理量や難しさの難易度などなどが、上がっているようなくくり方ができるような組み合わせを考えるようにします。
3.欠けているところを補っていく
補記作業は周辺の業務内容をじっくり味わったときに、自然と思い起こせるものもあります。
逆に、いくつかの業務の固まりを見たときに、欠けているな、と感じ、そこから発想するものもありえます。
4・変遷・異動に意味を与える、理由付けを行う
企業内での人事異動や昇進昇格というもの、いわゆる処遇というものは、団塊の世代が企業に奉職した昭和30年代から40年代以降、平成に至るまで長いあいだ、個人の意志や都合よりも、企業の状況が優先されて行われてきました。
こういった処遇も、日本的雇用慣行のひとつの代表例と言えるでしょう。
従業員は、それこそ辞令一枚で右から左へ、部署から部署へ、勤務地も南へ北へ、果てはアジアへ欧米へと会社が決めるがままに、会社の言いなりにあちらへこちらへと転勤異動を重ねることは普通でした。
たとえ勤務の経歴としてはそうだったとしても、キャリアに変換する際には見方を変えます。
事実は事実ですし、今現在の求職を志望しているこの時点から、それらの動きを眺めると、他律的な動きで、偶然性の高い変遷であったと思えるでしょう。
だから、次に行うのはそれを意味のある変遷の歴史に変換するという作業です。
しかし、前にも述べたとおり、実際の異動や転勤転職は、明確な理由や必然性があっての移り変わりではなく、法則性を認められない動き、漠然としたもののように映っているかもしれません。
この中から後付けで法則性や必然性に裏付けられたストーリーを導き出していくことが大切なステップなのです。
これは、もしなにもストーリー的な観点を持たずにまとめたとしたら、そのキャリアはまるでフラフラとさまよっていたかに見えてしまう変遷の歴史の中に、何らかの意味を見出すような作業です。
後付けでかまわないですし、ストーリーに関与しない部分はどんどん大胆に切り捨ててしまって結構です。
いわば事実としての変遷の歴史から寓意を読み取り、偶然の積み重ねであったかもしれない異動経歴の軌跡を、必然性に基づき行われたものであるとストーリー化する準備作業ともいえます。
ここまで進んだら、偶然を必然に読み替えるステップに入ります。
5・そしていよいよストーリー化する
ストーリー化するといっても、偶然を必然に読み替える作業は、なにも会社の辞令にもとづくものを、「実はあの異動は自ら望んで行ったんだ」などと言い繕ったりすることではありません。
自分では希望や異動願いを出していなかったとしても、会社人事または上層部、責任者層などの人事権者に、その当時の自分が、これこれこういうふうに見込まれたのだろう、と想像してみます。
その想像にマッチする部分の職務異動経歴を並べてみましょう。
マッチしないところをムリに取り込む必要はありません。
説得力を有しそうな部分のみをいいとこ取りしてしまってください。
これによって偶然性が色濃い変遷を、意志と仮説を元に、必然性で構成された「魅力的なキャリア」にしていくわけです。
6.ストーリーにオプションを付けていく
ここまでのステップで、ストーリー自体の骨格が構想できてくれば、もうしめたものです。これが自分のキャリアの基本形になります。
つづいて、ストーリーをより強化できるように、または説得性を高められるように貝体性を高めるような補強材料とはなにか想像しつつ、いままでの長い職業経験の引き出しから、補強材料となりえる事例やオプション的なものを探し出して来るのです。
ひとつのストーリーが確立できれば、それがウケる、認められる、付加価値がつきそうな細部やディテールをくみ上げて行くのです。
より高い必然性を補足し、ストーリー性を強化します。
これまでの異動経歴はそのとおりに異動することが当たり前の必然だったのだと言えるように。
日本の中高年層世代は、えてしてクソがつくはどマジメ、かつ臆病で、自信が持てない、新しいことへのチャレンジは避けたがるという性癖を持つ傾向があります。
こういう傾向は自分の業務経歴を第三者に伝えようとするときにも遺憾なく発揮されてしまいます。
自らストーリー化をして、それを説明するという労を取ろうとせずに最小限の表現でお茶を濁し、誰が見ても、どこから見ても反論の余地のないレベルである安全圏の範囲での表記にとどめようとします。
しかし、そういう安全な、まるい表現で固められた業務のストーリー=キャリアが採用を決定しようとするキーマンの目に魅力的に映るはずもありません。
いつものように完全な安全圏に身をおくのではなく、そこから一歩だけ前に進んでみてください。
具体的には、ある程度読み手の興味を引くことに意識を向けた、説得性の高いストーリーで自分のキャリアを表現してみましょう。
そしてそのとき、伝えた相手からどんな評価をされるか、どういう理解を得られるか、手ごたえや反応を見てみることです。
7.エピソードや特記事項も取り入れる
ストーリーを伝えるために有効なエピソードやたとえ話は、ストーリーへの理解度や信憑性を高めると共に、読み手の興味をグイッとひきつけるのに有効です。
できるだけあなたのキャリアを語るストーリーの本筋に近く、しかもありきたりではないエピソードを思い起こしましょう。
また、このステップで思い起こしきれなくても悲観する必要はありません。
多くの経験者は、エピソードの類は、実際の企業等での面接を受けているときの応答でドンドン出てくるものだ、と証言しています。
なぜかといえば、やはり、特定のストーリー=キャリアに興味を示す読者があなたの職務経歴書に対して高い評価を下し、結果的にその読者が在籍する企業の面接の場に呼ばれることになるわけですから、
面接の場での質疑は、双方にとって十二分に知的刺激を与えてくれるものになります。
もしここまでのステップで作ったキャリアシートが、残念ながらあなたの魅力を十二分に表せるものに仕上がってなかったなら、面接交渉の場でそれをヒシヒシと感じないではいられないでしょう。
そのときはもっと有効なエピソードがさらに必要だったのだと実感することになります。
あなたはそのときの実感を記憶にとどめ、キャリアシートの再作成に取り組んで一層の充実を果たし、次の面接交渉に臨むのです。
エピソードは、たとえ話、事例や比喩でもいいでしょう。
しかし、手柄話や自慢話、年寄りの繰言の類は好まれません。
誰しも、そんな話をわざわざ面接の機会を設けてまで聞きたいと思うはずはないからです。その点だけは十分留意してください。
第一義的には、魅力的なストーリー化を図るのも、エピソードを付加するのも、職務経歴書を読んだ読者にアピールすることが目的です。
なぜならば、そこで相手方読者の気を引くことに成功すれば、次のステップである面接受験の機会が見えてくるからです。
お気に入りのブックマーク・RSSに登録 »
関連記事
サイトマップカテゴリー:履歴書の書き方
トラックバック(0)
http://yg-away.biz/mt/mt-tb.cgi/282


