「スキル」を構成する
キャリアという職業上のストーリーとセットになっているスキルとは、どのように構成されているべきでしょうか。
スキルとなる材料はたくさん考え出せるかもしれませんが、職業経験を魅力的にアピールするためにも、まとまりを失わず適切なものが選び出されていなればなりません。
どういうスキルを選び出そうかと考えるときには、この時点でもう一度キャリアを、構成しているパーツレベルに再分解する作業をしてみてもいいでしょう。
このとき、職務の単位や部署ごとの仕事のかたまりで分けてはいけません。
個々の仕事経歴をまとめて作ったキャリアを、また単純に個々の仕事単位に分解しても得られるものはないからです。
今度は、キャリアがあらわしている「どんな仕事をどういうふうにできるような背景があるかまとめたもの」を、「いつ、どこで何をした」とバラすのではなく、
「その仕事をよりよく果たすために必要な腕前や、能力や経験とはどういうものか」と分ける作業です。
えてしてスキルを列挙しようとするとき、資格や公的免許など等に着目してそういう資格や免許を列挙してしまうことがあります。
それらも本当にキャリアとする業務をよりよく果たすために役に立つ、必要不可欠なものである場合ももちろんあります。
ただし、そういう公に認められたものだけがスキルというわけではありません。
マジメで善良な市民たる求職者が持つ、公的権力や権威、認定機関に対する敬意が、つい、権威に従ってしまう、権威に頼ってしまうという態度を生みがちです。
役に立つ立たないはともかく、せっかくの国家資格であるからといってスキルの筆頭項目に第一種普通自動車運転免許があげられていることがありますが、それはあまり感心しません。
運転免許が無意味なわけではありませんが、運転免許を有していることがキャリア的に大きな価値を生む人ばかりではないのに、誰でも彼でもが運転免許をスキルとしてあげたとしても求職活動でアピールする結果につながらないこともあるのです。
今回のスキル選びをするときは、ありきたりな他者の見方を優先するのではなく、自分自身がスキルとして記載するべきか否かの主体的判断を下さねばなりません。
魅力的で説明可能なキャリアやスキルを創ろうとするときには、公的認定機関からのお墨付きとしてのスキルより、自分の判断で必要不可欠な要素であったスキルのほうが優先されるべきです。
誰か第三者によって認定はされたものの、使えるか疑問な資格などではなく、自分自身が仕事や業務を通じ、なんどもなんども繰り返して使ってきたことによって完全にモノにすることができているスキルのほうが、価値が高いものと判定されるからです。
ということは、これまでの仕事の中で繰り返し反復して行いつづけてきたこと、トレーニングの成果として身につけられたこと、できるようになっていることで自分のキャリアに役立ってきたことは、すべてスキルだと考えられるということです。
それは、極端に言えば、いつもいつでもどういう状況でもこコニコ挨拶をできる。
それによってすべてのお客様・関係者(たとえそれが敵対的な雰囲気を伴っていたとしても)に常にグッドコミュニケーションを実現し、結果として自社、自組織に利益をもたらすことを約束するものであるのならば、これもひとつのスキルと見るのです。
応募先の採用担当者が、なるほど! と思い、
そしてこの能力をウチでも発揮してくれると助かるな、利益になるなあ、と思ってくれるならば、意味のあるスキル項目を並べることに成功したと言えるでしょう。
記載されるキャリアもスキルも、何を選ぶかは応募者サイドで取捨選択しますが、キャリアやスキルが特定の企業や組織・団体においてどれほどの利用価値を持つか待たないかの判断、有益か無益か、どれくらいのメリットとしてみるかは先方の面接官にゆだねられることになります。
スキルとして構成要素を取り出すとき、間違って考えがちなのは、
なにがメインなのか、そもそもメインとはなんなのか、です。
よくあったこととか、業務遂行のために、費やす時間が多かったとか、大勢でやったとか、業務のボリュームの大小で考えてメインスキルを決めるのは間違いです。
頻度が少なくても、何カ月かに一度しかしない仕事でも、そのレベルの高さや、難易度の難しさとか、クオリティで決めるようにしてください。
たとえば滅多にやらない頻度の仕事でも、ひとたび起きたときには、それに的確に遺漏なく対応することで周囲から認められているような、特別な出来ばえの仕事というものがあったはずです。
それは、クレーム対応でとても難しい、下手をすればこじれかねないような特殊なお客様に対し、
上手に対応することでクレーム客をファンに変えてしまったとか、そういうことです。
よく思い起こしてみると、レアケースのものは数多くあるはずです。
めったにやらないことだろうとなんだろうと、たとえ一回きりの経験でも、普通の人は知らない世界での体験はそれだけで貴重です。
そして、その業務を遂行する経験から得た知識やノウハウ、コツや勘所、ポイントというものも全て魅力的なスキルとなりうるものなのです。
スキルを抽出するときは、ボリュームの大小にかかわらず、有効なものはすべて対象にすること、そして抽出に成功したものを何が何でもすべて盛り込むものではないということのふたつが忘れてはならないポイントです。
どちらのポイントもキャリアを魅力的に柏手に理解させるために重要です。
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