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応募書類にまとめた内容が精査され、それにマッチするように応募先の企業や組織や団体を絞り込んだ状態。
これは孫子の兵法にいわく、己を知り敵を知らば百戦して危うからず、という状態になっているわけです。
孫子ならばこれで万全かもしれませんが、再就職活動においては、さらにもう一段上のポイントがあります。
それはデザイン的に完成し、ターゲッティングも万全を期して、そのうえで応募書類としての職務経歴書や履歴書と添付する書面等を上手に目立たせること、すなわちデコレーションすることなのです。
決して大げさな言い方ではなく、応募書類が先方の人事部等に到着してからは、完全に競争であり戦いです。
同一ポジションに応募してきた並み居るライバルたちよりも、すこしでも高い評価を得るための勝負をしているのだから、デコレーションは当然のことだと考えるべきです。
中高年の勤労者全体、特に団塊の世代あたりの共通の価値観はいろいろありますが、その中でも特筆するものとして、謙虚を美徳とする考え方があります。
この価値観は再就職活動において、これまで仕事上で獲得してきた能力を使って次の勤務先を探し出そうとしているときに、とても目につくことです。
褒めているわけではありません。
一般的な価値観ならば、特に職場の和を尊ぶ日本の企業倫理、文化に、儒教的な精神も加わり、謙虚や謙譲の心は尊敬される高い精神性の証しとなることでしょう。
しかしながら、求職活動を進めていく正念場とも言えるこのタイミングではまったく話が変わります。
求職活動のさなかでは、過ぎたる謙虚さは、メリットどころかデメリットしか生みません。
職務経歴書等の応募書類を送付すると、いわゆる書類選考と呼ばれる第一次の選抜が行われます。
そのときに、先方の企業や組織や団体の選考担当者が、たった一通、あなたの職務経歴書だけを読んでくれるならどんなに謙虚でもかまわないかもしれません。
こういうときには、よーく読まねばわからないような隠されたスキルやキャリアを、眼光紙背に徹するごとく睨みつけ、じっくりと読み解いて評価してくれることでしょう。
もし応募者があなた一人だけしか現れず、今後も現れそうにないのなら、秘めたるキャリアやスキルが読み解かれなくても大丈夫です。
きっと面接の機会は得られます。もしかすると読まれさえしないでも大丈夫かもしれま
せん。
そんなときならば、どれほど長くて読みづらい文章でも可です。やはりとても好意的に遇されることになります。
しかし現実には、当然ながら競争相手が必ずいます。
競争相手が存在する場合、読みにくい応募書類に光があたることは少ないでしょうし、普通に読みやすい、わかりやすいというだけでなく、もっと魅力を感じさせる工夫が必要になります。
魅力をより伝えるためのポイントはデコレーションです。
デコレーションとは、本質をよりよく理解させ、受け入れられるように施す装飾です。
本質とまったく異なるものに変質させるものではありませんが、本質に対する評価を変える役割は果たします。
キャリアやスキルが先方のニーズに適合していることをより伝えやすくする場合のデコレーションとして有効なのはデフォルメという技法です。
デフォルメという言葉はやや胡散臭いイメージで使われますが、
本来は絵画や塑像など実物を何らかの形で写し取ろうとする行為の際に、よりよく真実のイメージを伝えやすくするために施す必要な技術です。
画家や作家が見た、より正確な形を見せるために、もしくは画家や作家が受けた印象をよりリアルに伝えるために必要な手順といえます。
キャリアやスキルに施すデフォルメもまったくそのとおりのものです。
この場合、とてもよくある間違いは、自らの能力や経歴を第三者に伝えるときには、もっとも精確なものでなければならないという思い込みから発生します。
精確ではないもので応募して、受かってしまうことは卑怯な振舞いであると考えたり、仮に内定を得ても、精確でないという理由田により、内定を取り消されるようなこともおこりかねないと危慎するようです。
もちろんデフォルメが完全な創作やでっち上げではないように、ここで行うデコレーションは嘘でもハッタリでもありません。
本当に正しくあなたのキャリアとスキルを理解してもらうためのものですから、そのようなことは全く心配するには及ばないのです。
応募書類に施す、デフォルメという技術を使ったデコレーションとはどういうものでしょうか。
まず単純に言えば、先方の選考担当者の目を引くようなキーワードやキャッチフレーズをふんだんに効果的に用いるようにすることです。
選考担当者はできるだけ効率的に応募者をふるいにかけたいと願っています。
なにもどんどん落として、合格者を減らすことが効率的であるわけではありません。
面接に進んで直接会う必要のある人材に会えるようにしておいて、そうでない人の数を減らそうとしているということです。
そのために、応募書類を見ながら自社の企業や組織や団体で必要なキャリアやスキルを有している人材であるかどうかを選別しています。
見た瞬間に求めているスペックにピッタリのキャリアやスキルが記入されていれば、大
変助かります。
喜んでその人に決めてしまうことができます。
けれども実際はなかなかそううまく行かないので、要求スペックと若干の違いはあっても、役に立ってくれそうな人材かどうかを見ていくことになります。
そのとき、応募の書類の中に、目を引く表現で魅力的な事柄が書いてあれば、当然注意をして読み、中身が伴っていれば合格の判子を押すことになります。
そのためには、当該企業や組織や団体の募集広告や求人要項のなかに含まれるキーワードを見つけ出すこと、その企業固有のものでなくても同業他社で使われていた言葉でも結構です。
その他、それぞれが用意しているホームページや対外公表文書のなかから、先方が直面している課題や、難問、もしくは今後力を入れていこうとしていそうな分野や職務を想像し、
自らの職務経歴書にその言葉に対応して解決策になりそうな言葉を入れるのです。
デフォルメとは、盛り込むべきテーマを発生頻度順とか、単純な時系列順でなく、その応募先で重要な順にしたがって並べ替えるということなのです。
これは立体的な構造物などの縮小モデルを作成する際にも行われることですが、縮尺に基づいて模型を作るとき、
単純に本物の実物寸法を正確な一定の比率で縮尺してその寸法どおりにモデリングしても、実物のイメージからは程遠いものになるため、
より強調するべきパーツは大きめに作り、逆に実物では存在感が薄い部分が、縮尺モデルでは妙に目立って回しまう場合には小さめの寸法で作るということと同様のやり方です。
そしてそれを正しい意味でデフォルメと呼びます。
デフォルメは、縮尺モデルの寸法によって、また見るほうの立場や目的にしたがって強調すべきところとそうでないところが違ってきます。
ユーザーに新型の製品のイメージを伝えるときに行うデフォルメと、製品仕様に基づく、オプションパーツのリストを整備するときに行うデフォルメは異なります。
また、実物の10分の1のモデルと2分の1のモデルでも当然異なったデフォルメがされます。
われわれが作る応募用の書類の中で、応募先の業種も企業規模も、職務内容も同一のものはありません。
ですからデフォルメも個別に異なります。
職務経歴書を作るときに、自分が行ってきた業務のうち、一番時間を費やしたことを最大のボリュームで書く必要はありません。
また、多く発生した業務のみを自分のコア業務とする必要もありません。
いろいろな業務のなかで最も重要な部分である、と読み手が受け取るであろう業務内容や職務能力にスポットをあてるようにするのです。
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